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とりあえずジュネーブをうろうろしてます。
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在外生活は20年以上に及ぶ。その生活の中でパターンとして最初にすることは地元との同化。説明しなくても、下のチャートを見れば典型的なパターンはご理解頂けるだろう。もちろん、これは一例であって、絶対ではないし、典型を愚弄するものでもない。拙もこの構造にあやかっているし。

同化の努力 → 同化の限界 → 諦め → 日本人探し → 狭い邦人社会にどっぷり

拙の場合、英国で同化+現地化ということになったのは、義理の両親が居るからその付き合いの延長線上に親類縁者が居る。片側だけなのに結構な付き合い回数になる。妻は「子供たちのクリスマスプレゼントが少ない」とこぼしたこともあった。それは、英国の我々が日本式に対応していないのだし、日本の家族には英式を強制できない。と言って納得してもらった。そういえば、拙子供たちはそういう文句を言ったことがないなあ。えらいなあ、と今さら気づく。

日本の正月、節句、彼岸、花見、中元、祭、新嘗祭、神嘗祭、歳暮などなど全部仕事にも関わり、被ってきたことどもであるが、日本を離れてからはそういう歳時記にはほとんど触れずに過ごして来た。

「これではいかん」と思ったのは子供が生まれてからのこと。では、ロンドンに神社を誘致してみてはどうか、と基金集めを開始した途端にバブル崩壊で協賛各企業の担当者が転勤、あるいは失脚。事業が軌道に乗る前に話が潰れてしまったのは、不幸中の幸いだったが、文化的な損失感を抱いたまま現在に至る。神社ビジネス、絶対儲かりまっせ。

しかし、それ以来我が家の中では日本文化は徐々に薄れて来た。子供たちが日常経験する日本のことと言えば、息子の名前だけだろう。

拙は拙で、日本に帰ると食事中に人前で鼻をかんでしまったり、目上のヒトのまえでソファに脚を組んで座ったり、ボディーランゲージが傲慢な日本人に見えても、自信満々の英人には見られない。

数ヶ月だけ海外留学した日本人が「あーら、浦島っちゃった」などと言うのを耳にして思うのは、もう身について離れない外国暮らしのやり方が知らず知らず日本人の前では奇異に映っている時に感じる気恥ずかしさである。無意味に目立ちたくないもんね。でも、海外では何をやっても気にならないんだな、これが。
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数独の父、鍛治真起さんから数独通信を送って頂いた。

大したこともしてないのに、先の講演アレンジを気に入って頂いたようで光栄至極。

数独の父、鍛冶さんは日本人だが、

数独の祖父、レオンハルト・オイラーはスイス人だ。

歴史的にいろいろな人たちが関わっているが、

ラテン方陣のパズルに命を吹き込んだのはこのご両名。

鍛冶さんは出版社二コリ社の社長さんだ。

レオンハルト・オイラーは数学者だ。

実業家が父で、数学者が祖父だ。

なんだか面白い。

数独の子供はどうなるんだろうか。

たぶん、数独パズルはこれからも進化していくのかもしれない。

そうすれば、子へと継承されていくのだろう。

鍛冶さんの話では数独を作る人たちは一種独特なのだそうだ。

「牧歌さん、あんたみたいな社交的で、いいヒトじゃ勤まらないよ」

普通とは違う天才たちなのだろう。

凄い集中力があるので、社交なんか気にならないんだろうな。

そういうのもいいなあ。

拙は天才にはなれそうもない。数学者オイラーよりも、拙にはかゆみ止めのオイラックスが必要だ。スイスは乾いて候。

 

ジュネーブという外国人70%の国際都市に住んでいて思うこと。

 

多国籍者が寄り合って、世界中の価値観が流入することが国際化であると手前勝手ながら定義付けさせて頂くと話は易い。地元の価値観と世界中からの価値観とがどのように接するのか。いきなり融合とか、衝突とかにはなりえない。両者の価値観を比較するのは面白いけれど、面白いと思う前に理解することは想像力を伴うし、さらに受け容れるとなると目からウロコだったり、逆に苦痛を伴うかもしれない。

 

置かれた立場によって、その価値観との付き合い方は結構変わるもんだ。

 

例えば、駐在期間の決まっているヒトたちは旅行者気分になることで、受け容れたフリをして生活していくのだ。移民は受け容れてくれた国に対する敬意を払って同化しようとするけれど、シンジケートを作ってその中で自文化を維持する。難民たちも受け容れられようと努力している人たちが大半。もちろん、受け入れ国の法律を逆手にとって、強き弱者に変身する人たちもいる。それらはすべて生活の知恵だ。社会問題として取り上げるメディアは多いけど、我がことに照らしたら批判は出来ない筈。

 

こうやって、その価値観を立場別に区分けして考えてみると、うまい具合に整理が付く。

 

駐在、移民、難民、アサイラム・シーカーなどなんでもいいけど、彼らがジュネーブ、ロンドン、東京などに持ち込む価値観とは、人間として最低の決まりごとである法律、地元の一般ルールであった慣習、ご当地の特別法であった因習、地元ならではの排他性を持つ常識、あらゆる規範の成道と言うべき道徳、道徳の根幹を成す宗教、あらゆる価値観の整合性を追求する倫理などに拘束されているものだ。

 

今、拙が思いつくだけでも、一人の人間が持つ価値観は、法律、慣習、因習、常識、道徳、宗教、倫理など少なくとも7つ以上の規範を背景にして成り立っている。ひとつの事柄についての判断や決定が東京と大阪という文化圏の違いだけで異なるように、在外人の判断が当事国者たちの間で、価値観がそぐわないことは当然と言えば、当然のこと。

 

こういうことは、新しい場所に来るたびに考えることだが、文章にするのはこれが始めて。だからこそ、思いついたときに勝手に書き込む「備忘録」であるわけだ。

 

ただ、どんどんいろんなことを考え付くだけに、忘れっぽいのかもしれない。まあ、記憶はこうしてPCに頼れる時代になったということで、脳みその労働を軽減。やることも多いしくらのすけ。あ、しまったようこ。ボキャが多いゆえに生じる親父ギャグ。若者には真似、モネ、ドガ、ルノワールできまい。

 

ともあれ、次回にでも「国際結婚」をその6つの規範の立場から眺めるとどうなるか、ちょっとだけ語りたくなった。反響があれば、有料記事に? ねえ、編集長。二番煎じばかりでなく、たまには先行先取りは如何? 駄洒落は文字数に含まれません。

 

 


生まれて初めて他人様の子供の面倒を看た。

しかも、6時間も。

知らせは急だった。

「すいません、娘のPが急に熱を出してしまい、彼女の面倒を看る手段がありません。助けてもらえますか」

近所で世話になっている家族Nの依頼。断るわけには行かない。その4歳の娘は拙にとても懐いている。

「Pの面倒看ながら、仕事してもいいですか?」

「ええ、もちろん」

この時点ではそんなことが不可能であることなど思いも寄らなかった。

「ねえ、ダディ。どんな名前がいい?」

「え、(ダディじゃないし)日本人の名前じゃどう?」

「ダメ。私とピクニックに行くんだから、日本人じゃダメなの。そうだわマシューにしましょう」

Pはときどき咳き込み、鼻水を啜りながら、

「アナタは何もしちゃダメよ。全部アタシが用意するから」

「ねぇ、P。僕は日本人に見えないの?」

「うーん、判んな~い。でも、英語しゃべってるから」

「君の同級生にも日本人はたくさんいるでしょ。英語喋っているでしょ」

「でも、あんまりよくない。いい子たちじゃないし」

「日本人の名前は?」

「アレキサンダーとぉ、マクベスとぉ、セーラとぉ、キンジャオとぉ・・・」

「え、日本人なの?」

「そうだよ。アナタみたいにイチ、二、サン、ヨンって言うもの」

「???、まあ、いいや」

「そんなことより、ピクニックは終わりよ。赤ちゃん寝かせるから手伝いなさい」

たぶん、Nは普段から奥さんにこう言われているんだろうなあ。

ベビーシッターは家族全体が見える。4歳の他人様の子供と長時間に渡って付き合ったことも始めてだったし、このように懐かれ、信頼されることも光栄と言えば、光栄だ。

でも、んー、、、2回目はいいかな。

今から仕事だ。

あの6時間分を取り戻さなくては。

Pの画像を見たければ、11月1日のスペース2番目の画像へ。

 

在スイス日の本大使館主催で明仁天皇の誕生日パーテーが開かれた。

 

光栄にも招いて頂いたので、もちろん参加。入り口に置かれた天皇皇后両陛下のお写真に敬礼。

その後、数々の日本人の皆様と出会ってスイス到着以来最高の時間を過ごす。

 

皆でスイスのこと、日本のことを語り合う。いいなあ、和社会。

 

共通しているのは、ジュネーブの前評判と現実とのギャップ。

 

そのギャップに皆、怒り、疎外感、悲しみ、脱力感、諦めを感じているようだ。同時にカントリーライフの快適さ、自由、スキー、ハイキングなどアウトドア趣味の面白さを満喫している。好きです、嫌いですなどと簡単に言えない理由がここにある。

 

まあ、スイスなんて、…基、どこの国でもそんなもんだろう。

 

一般的には、これからの数年間は旅行感覚で、「あと何日」と念じながら生活して行く人たちもいるらしい。

 

拙はもうちょっと積極的に考えたいけどね。

 

さて、明日から数日間は車の仕様変更の第3回目の手続きだ。なんで手続きに何日も掛かるのが判らない。その間、他人の車を借りて運転するのは快適とは言えない。

 

この閉塞感はいつまで続くのだろうか。日本人社会との接触がなければ、とっくにキレテいるんではないかな。キレる機会を待ちながら、三白眼で正面だけを睨む日本人サラリーマンみたいだ。そんな気分の拙を救って下さった在スイス日本大使館と天皇皇后両陛下に謝意。

 

 

 

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