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ちょっと飽きてきたが、備忘録なのでお付き合いいただく。まだ、退院までに経験したスイスならでは(?)のことがたくさんある。
17日12時ごろ、昼食が出された。部屋も決まっていないのに、受け取ったプレートにはしっかりと拙の名前が印刷されていた。そういえば、朝食も出されたがそれにはAnonymous(匿名)と書かれていた。英語とフランス語はたまにスペルが同じなので助かる。
味のないマカロニパスタとインゲン、そしてビーフシチュー。デザートにシャーベット。シチュー以外は不味い。誰かが、スイスの病院食は英国よりはマシだと言っていたが、う~む…。
12時半麻酔医と話す。ドイツ系のカワイ子ちゃん。TL氏のことを思いだす。彼女がここに居てくれたら…。麻酔医の彼女、手術のことをInterventionと言う。まあ、この場合それもありかなと思うものの、そんなに軽いものなの?とも思う。麻酔に関する諸般の質問を受ける。生まれはどちらですか?ってのは関係なかっただろうな。
体重を聞かれたので、逆に何キロだと思う?と尋ねかえす。聞き返されたのは初めてだと言うので、日本の麻酔医師であれば、一目見ただけでヒトの体重と身長が判るんだよ、とテレビドラマ「医龍」の受け売り。その後、ネタを明かして「医龍」が英字幕付きでYoutube系で観られることを教える。すると、ドラマ「医龍」を友人から聞いたことがあるとのこと。日本のドラマがスイスにも知られている?る?
15時になって看護士からベッドのオファー。この頃までに諦めの気分へと落ち着き、考えが整う。入院が確定したら使わせてもらうが、確定でなければベッドを汚して職員に迷惑を掛けたくないと伝える。
15時20分、担当医であるDr.
今回の一連のドクターは、主治医、専門医2名、全員で3名。まず主治医から専門医Mr.Mを紹介され、診察を受けた。その後、手術の段となり、私営か公営どちらかの専門医の選択を提示された。両者の違いは治療費と医療サービスのレベル。
Dr.
貧しい者は時間を使って耐えるしかないのか。短時間内に優先、且つ快適なサービスを受けられるという点で、私営の方が良いと思うが、設備が充実しているのは公営という話が大勢を占めていた。しかも、公営では大学と繋がっているので、医看ともどもやたら研修生が多い。彼らは大概の場合、経験者に付き添っている。
15時半、20歳くらいにしか見えない白衣の女性が現れる。15歳と言ってもだれも疑わないだろう。肌がきれいで、顔立ちもすっきりした美形。笑顔もかわいいし、身長は150cmくらいしかないだろうか。
「アナタのベッドが決まったから、ちょっと診察させてください」
「え、決まってないよ。ここには僕よりもプライオリティになるヒトがいるかもしれないという話なので、今の段階では明日の早朝か、術前に来ればいいと聞いている。それに、執刀医が仕事を終えて、ここに来るまで何も判らないんでしょ」
「私は執刀はしませんが、研修医としてアナタを診察するように指示されたんです。ベッドのことは使用許可が出ているので大丈夫ですよ。簡単な質問に答えて、少しだけ診察させて下さい」
やたらと若く見えるし、頼れるのか?そして、たどたどしい英語だが、しっかりした意思が感じられる彼女はDr.P。
ベッドが確認されると、カーテンを閉めたDr.Pは裸になれと言う。上半身の触診を終えると、パンツを脱げと言う。なぜトラウザーとかパンタロンと言わないのだろうか、と思っていたら、本当にパンツを脱げという意味だった。
心の準備と言うか、医師とは言え、女性の前で○ん○んをさらけ出す準備が出来ていないのに、仰向けになった拙のパンツを下げたのは彼女自らだった。「あ、縮んでいる」とは言わなかったが、なんとなく縮んでいたので、狭い空間とは言え、日本代表としては少々残念だった。
Dr.Pは臆面もなく、拙の下半身をまさぐるように診察した。中でも、コーガンと太ももとの間に指を置いて、「咳をしてみてください」と診断したときは、これで尿管の状況を調べているのだなと判った。美人なのに手は冷たくなかった。
次に、「横向きになって」と言うと、おもむろに前立腺付近をチェックし始めた。拙の問題箇所は前側なのに何故?と思ったものの気持ちよかったので、質問しなかった。47年の生を受けながら未開発の部分を20歳そこそこの研修医が見つけるとは恐ろしいって、そういう話じゃない。
父親のような年齢の、身も心も汚れたオジサンの身体を、まな板の上で生サバをさばくように診察するDr.Pは見かけ以上に心が成熟していると思った。かわいい美人だけど、幼く見えると言われて、プライドを傷つけられて来た人生なのかもしれない。だから、気丈なのかもしれないし、頑張っちゃうのかも。あるいは、根っから医師になるほどのタフガイ?、それともスイス人だからか?なんににしても、けっこう気が強いんだろう。そーいう部分は知りたくない。と、勝手に想像してみた。
でもなあ、研修医ひとりにこういう診察させるか、普通?? その後、Dr.Pのことは見かけなかったし、看護士たちも彼女を知らないと言う。一体なんだったんだろう?マボロシだったのだろうか。
その後、担当医を待つ時間が続いた。妻は見舞いに来るかどうか迷っていた。拙が一時的に帰れるかどうかで、見舞いか仕事の継続かを考えていた。妻に「まだ判らないが、来れば」と連絡して30分後に変化が起きた。
18時45分ごろ、スイス人の執刀医が来た。
「問題箇所はご存知のように2つありますから、明日は2つともやっちゃいましょう」
「え、やっちゃいましょうって?」
「ええ、除去と破砕との両方です」
「でも、主治医と専門医は別々に、と言ってましたが」
「大丈夫です。問題ない。明日8時に執刀ですから、7時までに準備しておいて下さい」
そういい残すと、執刀医はそのままスタスタと去ってしまった。
「あれれ?」
ところで、血管内手術とか内視鏡手術とかのように、いわゆる切ったり貼ったりの手術でない場合は、interventionという表現を多く使いますねえ。
ドイツ語では、手術(術式・術名)のことをEingriffというので、深く考えず、そのまま直訳しただけかもしれませんが。。