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以前、プールで盗難に遭って以来、リュックを買い換えた。今回はPCも中に入れられて、様々な防犯の工夫も施された上物だが、見かけはそれほどでもない。見かけが良すぎては防犯の足しにもならんだろうし。
ところで、ジュネーブではリュックサックを持って入れないところが多い。「ロッカーに入れろ」というところは多いものの、受付カウンターにタグなしで預けるところとか、入り口の壁掛けに掛けておけ、というとんでもないところがある。しかも、盗まれても彼らには責任がない。
財布やら電子製品やらを服のポケットに押し込んで買い物やら拝観やら…とても心地悪い。
なぜ、そんなにリュックが冷遇されるのか?係員に聞いてみたところで埒が明かない。フランス系スイス人の特徴かもしれないが、理由の説明を求めても、「ルールですから」
「いや、ルールであることは判っているんだけどね。他のバッグが良くても、リュックがいけないのは何故?」
「判りません。ルールですから…」
この応答はどこかの国に似ている。
スイス人と日本人はとても似ている。
でも、日本人は議論が成り立たない。スイス人とは議論が可能だ。
先日は、スーパーのレジ係りに支払いの時に「リュックの中を見せろ」と言われた。
「なんで、プライバシーをアンタに見せなあかん。それに随分と無礼だしな。ここで見せないと言ったらどうなる?いや、むしろ私がマネージャと話したい」
と拙は急いでいるのも忘れて、呼び出してもらった。
マネージャ曰く、「それはレジ係の業務のひとつです」
「え、他人のプライバシーを見ることがか?」
「いえ、見せてもらうだけです」
「見せないとどうなる?」
「権限を持つセキュリティガードか警察を呼びます」
「で、私のリュックに何もない場合、君らが私のプライバシーを侵したことについてはどのような責任を取る?」
「え、それで終りなのでは?だって、アナタは無実を証明したのですから」
開いた口が塞がらん。
ジュネーブでは誰もが誰をも疑って掛かることがシステムになっている。それは拙が日本人であろうと、身なりがちゃんとしていようと、リュックを持っていたら容赦しないらしい。
で、最後はどうしたかって?
もちろん、リュックの中身を見せないで、支払いだけ済ませた。英語でそのシステムのバカらしさを散々批判すると、マネージャは「もういい」と手を振って行ってしまったのだった。でも、疑われた拙がなぜ議論を吹っかけたかということは、彼らは最後まで理解しなかっただろうな。彼ら自身も疑われても当然の世界に居るから。それだけの違いなんだろう。