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父母会の質問で印象深かったのは、

「インターナショナルの学生数はどれくらいの割合なんですか」

それに対する回答は20%くらいで、ほとんどがボーダー(寮生)ということだった。

重国籍である拙宅の子供たちは、インターナショナルに含まれるのだろうか、と聞いてみたかったがどうでも良いとも思った。そういう境界がなくなりつつある時代に旧壁を眺めても面白くない。

話を学校に戻す。

「で、20%の学生のうち能力別に編成される科目の中では、我々英国人の子供たちが疎外感を持たされている実情をご存知でしょうか」

例えば、数学などアジア人に圧倒的に有利な科目になる場合、英人は一クラスに数名になってしまい、中国人が大勢を示すことがある。こういう事実に対して、学校側はどんな対策を採っているのか、という質問である。教師たちは生徒たち誰にでも公正であることを述べると、ある親が挙手した。

「能力別編成の授業時間はせいぜい1時間、しかも、どのクラスでも半数以上の生徒は英国人です。学校側はいろいろなデータを公開しているからすぐにその事実が判ります。私の娘はドイツ系の私とスウェーデン人と英国人の混血の夫の間に出来た混血児ですが、見たところも文化的背景も普通の英人そのものです。そして、ボーイフレンドは中国人で、中国語を習っておりますのよ」

ここまででコトバを切ったその親がどれだけ賢明で、レイシストにどれだけプレッシャを与えたかが知れる場面だった。先の親は留学生の存在がいろいろな理由で不愉快なのだろう。実際にこうした隠れたレイシストは多い。法で禁じられても、このような人間は後を絶たない。

昨日も怪我をした息子は白人だらけのパブリックスクールに行って、自チームの試合を応援していた。観戦中に、ある親子の会話を耳にした。「お父さん、あの学校には、なんで黒人がプレーしているの?」 父親は両手を上げて、呆れ顔をしていたそうだ。この親も見下げ果てた奴。この連中には明らかな混血顔の息子が目に入らなかったのか。息子の学年を例にとってみれば、1人だけ黒人がいる。中国人も20名ほどいる。他の100名あまりは皆白人ばかり。これがほとんどのパブリックスクールの実態。

何が彼ら、レイシストたちを不愉快にさせているのか。

そのことは明白なのだが、彼らは語ろうとしない。だって、快・不快という乳児レベルの議論にしかならないし、純血論でも語ったらやはりレイシストとして裁かれることになるから。でも、アングロ・サクソンのどこが純血なんだ?

のびた君がレイシストだったら、こう言うだろう。

「ドラエも~ん、この学校を白人だけにしてよぉ」

「白人メガネェ! それを掛ければ皆白人に見えるよ」

人類は皆他人だと思うし、友達の友達は皆他人だと思う。でも、誰もが平等に他人なのだから、もうちっとオトナになってみようじゃないか、と思わせる国際社会の縮図がこういう学校の中にもある。




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