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「おいしいなんて幻想に過ぎない。恋愛と同じで思い込みを正当化し、自分を納得させているだけだ」

在外邦人の悲しい性のひとつと言えば、食に対する気持ちをこうして押し殺してしまうことではないだろうか。

もちろん、面倒臭いというのもある。

日本に行けば、どの居酒屋でも、定食屋でも注文さえすれば、タダみたいな料金でサバ味噌煮とか、塩焼きが食べられる。一時帰国して、海外の拠点に戻ると、その反動がある。「さあ、飯でも」と思った途端に萎えた気分になる。自分で時間を掛けて作るか、高額な塩焼きになったりする。すると、逃避行為としての幻想が始まるのだ。

拙の場合、特に青魚が恋しくなる。

それに、醤油と大根と白飯は必須アイテム。

昨日の昼は拙の身体に悪い筈の鰯を購入して、昼ごはんに当てた。

一昨日の嵐とは打って変わっての大快晴。

鰯雲を見つけるなり、思いついたのは七輪焼き。

それなら家の中を臭くさせることもない。

10Fにある拙宅ベランダに設置された小さなBBQセット。

開けてみると、前任者の残した汚れがこびりついている。




青魚衝動に駆られている拙はこれくらいのことではへこたれない。昨年の夏以来と思われる汚れを何とか落として、塩を降った鰯を並べる。鰯たちの末期の景色はジュラ山脈である。


焼いた後は、モンブラン側のテーブルに座り、大噴水ジェットを観ながら、大根おろしと醤油で鰯を骨まで頂く。それにしても小さい鰯だなあ。






スイスという内陸国に海の鮮魚を運ぶために生じるフードマイレージ。温暖化が進み、生態系が乱れ、鰯の生息にも影響しているので、鰯自体が採れなくなり、こんな小さいものしかマーケットに出回らないことになる。などと考えては、蚊帳の内側に居ることを痛感する。それでも鰯は美味かったので、造物主に感謝。だが、罪悪感はないな。




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