とりあえずジュネーブをうろうろしてます。
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水泳ではシル・ブ・プレばあさんという強敵を、
「それは人種差別ではないですか」
という一言で撃退したものだが、
今回の場合はどうも頭をひねる状況にある。
エレベータで鍵を拾ったのである。
全部で9箇所の鍵であるから、全財産をカバーしているわけで、
しかも、キーケースには住所、氏名、電話番号が書いてある。
これでは泥棒に入って下さいと言っているようなもの。
ほとんどアホだ。
管理人がホリデーで不在だったので、
階下の郵便受けで名前を確認するも、留守。
鍵の紛失に気付いていないとは、
ますますもって、アホウだ。
共通ドアの鍵もここにあるから、
インターホンを使わないと入れないだろうと、
張り紙をしておいた。
念のために紛失者自宅ドアにも張り紙。
もちろん英語だ。
1時間半後、仕事の最中、階下がやかましい。
どうやら、紛失者が近所の人々を巻き込んでいるようだ。
たぶん英語のメッセージが読めないのだろう。
でも、階は判るだろうし、こちらの名前も書いてあるのだから、直接来ればいいのに。
来ると、マダムはメルシー、メルシー、メルシー、ボクー、ボクー、ボクー・・・の連呼。
こういうお礼の言い方もあんのね。
「鍵をお渡しますが、アナタがマダム〇〇であることを証明してください」
と言うと、
メルシーおばあさんは、ケスクセ?
「アナタがマダム〇〇であるかどうかは私には判りません。誰かに証明してもらうか、パスポートかIDを見せてください。さもないと、私は何かしらの責任に問われる可能性があります」
メルシーばあさんは、英語をまったく解さず。
ならばと、隣のドアを叩く。
いない。
階下の住人のドアを叩く。
いない。
すると、メルシーばあさんは、合鍵で自分の部屋のドアを開けた。
ここが私の家です、というジェスチャー。
じゃあ、まあこれで証明されたとするか、と鍵を渡すなり、最後に無表情にメルシーと述べて、自室のドアを閉めた。何か憮然としていた様子。
階下の住人だと言っても、会ったことないからそうする以外に仕方ないじゃん。
さもなければ、拙は見知らぬ人に無条件で鍵を渡すことになってしまう。
とどのつまり、拙は彼女の財産を守ってあげた。
悪いやつなら知らん振りしていることも出来たし、家に侵入することも出来たわけだ。
部外者の入れない構造になっているとしても、見知らぬ人々もけっこう出入りしているわけで、
メルシー連発して、コトを済ませる神経が知れない。
拙なら後で、花束とかワイン1本とかお届けする。
あるいは、鍵に個人情報を付帯させておくくらいだから、やはり相当のバカなのか。
メルシーボクーが、メルシーバカーに聞こえてきた。
彼女は80歳前後、このアパートには新築だったころから40年に渡って棲んでいる。
かつて、ジュネーブとはそんなに安全な街だったんだろう。
考えてみたら、拙も相当なバカ・・・正直。

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