とりあえずジュネーブをうろうろしてます。
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今回は英国の劇場と映画の話。ここでもある程度の英国番組が観られる。
Youtube系ビデオを利用すれば、日本でも視聴可能の筈なので、以下に関連URLを。でも、内容は英語よ。
http://imdb.com/title/tt0464049/
http://en.wikipedia.org/wiki/The_History_Boys
ドラマの内容は、男子グラマースクールで、オクスブリッジ(オクスフォード大学とケンブリッジ大学)進学クラスに振り分けられた18歳の子供たちと教師とのやり取りがメインになっている。
まず、グラマースクールとは、有試験で入学する公立の中高一貫校のことで、これは英国では普通の制度。この試験に受からない者、受ける意思のない者、学力優秀でも近所にグラマースクールがない場合、庶民はコンプリヘンシブ・スクールという公立無試験校に入る。
拙宅も庶民だが、子供たちが特別奨学生なので、私学(なのにパブリック・スクールと言う)に通っている。正直な話、英国のパブリックスクールの奨学生になるのは、日本の学校ほど難しくないと思う。
ともあれ、表題のヒストリーボーイとは、オクスブリッジ受験の専門科目の歴史で、教員たちと生徒が古代ギリシアのロゴス哲学よろしく議論をくみ交わしては、彼らの成すべき方向性を見つけていくものだ。
日本の18歳の受験生は、この状況がまず理解できないであろう。試験はすべてエッセイ(論文)なのだから、基礎学力と言う知識と記憶だけに頼るものとは大いに異なる。
エッセイのような文章を書く素養はインテリジェンスであり、視点であり、想像力であり、それらの素材となるものが知識や情報である。多くの日本人が知識とインテリジェンスとの区別をしていないことがこのドラマを観れば、実感できるのではないだろうか。
実は、このドラマのテーマはそんなところには置かれていない。名誉欲、学歴、本当の学問の面白さと受験用の勉強との乖離、教師が生徒に託す夢、勉学の自由と常識などなど盛沢山なのだが、英国の教育事情を知らずして、このドラマを観る価値があるかどうかは拙には判らない。
たぶん、日本では公開されないであろう名ドラマになる。
別に国際人ぶっているわけではないが、受験を来年に控えた年頃の娘を持つ身としては、子供たちと一緒にこのドラマを観て、いろいろなコンセンサスを共有することが出来た。たぶん、YOutubeなどでしばらくの間は観られると思う。ただし、シェフィールド訛り。
妻が言うには、拙が英国の教育を受けていたなら、オクスブリッジに入って今頃学者になっていただろうとのこと。そんなにマニアックかな。 確かに、ロンドンでは店の看板やマンホールのデザインが気になって、100m歩くのに3時間以上掛かることがある。 寒過ぎるジュネーブではまだ試していない。
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あすとるさま
あー、なんか残念。あすとるさんに一番お知らせしたかったんですよね。娘の話では映像があったとのことです。もう消されたのかな。VEOHではどうでしょう?
あすとるさま
役立たない情報になってしまって恐縮です。確かにアマゾンなんかで買えるようですもんね。録画用のDVDプレーヤを買うべきか、と議論が始まっています。