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スイスを初めとする欧州各国にはプライベートバンキングという富裕層を対象にした金融サービスがある。あらゆる危険性から保護されるために、預金者は銀行に相当の費用を払わなくてならない。架空のスナイパー、ゴルゴ13もこういうシステムを使っている。
拙宅でもスイスの都市銀行に口座を設けているが、プライベートのシステムを利用するほどの運用範囲ではない。スイスには都市銀行が2行あるが、スイス銀行という日銀のような銀行はない。ゴルゴ13が使っているとしたらジュネーブ市内の地方銀行かもしれない。
スイスのプライベートバンキングの場合、1千万円以上の金さえあれば、無記名でナンバーズ・アカウントという口座を作れることから、闇のお金も多く流入してきたという歴史を持つ。映画や小説でも題材にされるこのシステムは、マネーロンダリングの温床として名高くなったことは皆さんご承知の通り。そして、テロなど非合法、且つ非人道的な活動を行う資金として利用されることが指摘されて以来、この口座の新規開設はハードルの高いものになって来ただけでなく、ヤクザマネーなどは追及されるシステムやルールも作られている。
日本は日露戦争の頃、スイスの銀行とユダヤ人預金者に助けられている。ユダヤ人を迫害するロシア人を人民戦線でやっつけて欲しいと願ったから日本に融資した、という説が大勢だ。そのときの金の流れにスイス銀行は大きく関わって、かなり儲けている。
ちょと話が飛ぶ。1940年に在リトアニア日本国領事であった杉原千畝(ちうね)という人物がポーランドから亡命するユダヤ人に日本通過ビザを発給した。その数は6千名分。
しかし、このビザは大日本帝國政府からの発給許可は下りていない。杉原は人道的な見地と不明瞭な日本政府の判断という状況を考慮して発給を決行した。
杉原の話は、以下のサイトでいろいろと確認されたし。拙はこの人物を知ってから、なんとか歴史小説にしようと考えていたが、「命のビザ」というタイトルでテレビドラマにもなり、かなりメジャーな人物になってしまったので、数年前に企画をやめてしまったことがある。近々に神戸で中島みゆきプロデュースのミュージカルも開催される。行きたいなあ。
杉原千畝
http://www.chiunesugihara100.com/visa-unmei.htm
ミュージカル
http://www.rise-produce.com/sempo/index.html
ここ150年間の歴史を辿ると、日本とスイスとの繋がりはけっこう多くて、その都度深いと感じる。現代は金のつながりが最も多いだろうか。しかも、それは日露戦争の頃のユダヤ人絡みのものが続いていたりするから、どこで繋がっているかが判らないこともある。
日本の各省庁も隠し財産を保有し、かなりの額がスイスの銀行に置かれているという話もあり、その信憑性も高い。余計なことを書くと、ブロガーと言えども刺されるかもしれないので、これ以上は述べない。
スイスに生活しているだけで、なんとなくその繋がりの糸が解れてくるのが面白い。システムやルールの中に反映されているもの、歴史を語ってくれる人々、スイスならではと思っていたもののコンセプトが実は外国人移住者に拠るものだったりする。彼らは自分たちが住むスイスを豊かにするために、独自性を出して行ったわけだ。だから、「スイス銀行」という言葉も出来たんだろう。
そうそう、忘れないうちに先日のダボス会議での話。環境ランキングでスイスが1位、日本は23位に後退とあった。近いうちにこのランキングを検証してみたい。でも、どこかの編集者が採用してくれそうだったら、掲載できないので、ゴメンね。