とりあえずジュネーブをうろうろしてます。
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チャーシューをよく作る。
ご当地食材を使って、出来るだけ和風チャーシューに似せる工夫はどの国に住んでいても、拙の至上料理である。
拙の言うチャーシューとは、煮豚や角煮のことではない。もちろん、日本の多くのラーメン屋で出される煮過ぎてとろとろに溶けるよな誰にでも作れる「煮過ぎ豚」でもない。オーブンで作るチャーシューのことだ。
英国で到達したレシピはダークソイ、中白砂糖、オイスターソース、にんにく、しょうが、前回のチャーシューの残り汁を混ぜ、適度な脂身の肉1kgをその中に6時間以上漬け込む。焼きはオーブンを150度くらいにして40分から1時間掛ける。低音でも焦げる。発がん性物質を含むと言われるこの焦げが好きだ。焼きあがって、まずこの焦げを食べる。緩慢な自殺か。
スイスではダークソイが高価な上、いい品質のものがまだ見つからない。大きな中華街があれば必ずあるものだが、この多国籍者の国ではなぜか中華街がないし、良質な店も見当たらない。砂糖の種類も異なるし、種類自体が少ない。オイスターソースにもチョイスは少ない。
肉自体も店頭で頼める語学力がない。ブッチャーたちは英語を解してくれない。脂身15%くらいのブロック1.5kgと伝えたところで、赤身を渡された。仕方ないので、脂も別途買って、糸で赤肉に巻いて焼いてみたが、美味くなかった。そうなって、煮直された豚は角煮に変わる。今度はイングリッシュマスタードか和カラシが欲しくなる。フレンチマスタードはどうも・・・。
チャーシューの味付けの要はコクであり、深みである。他にどんな工夫があるだろうか、と物色する毎日。
ひとつのヒントはコカコーラ。以前、義理の妹が豚の骨付きガモン・ステーキ肉をコーラに一昼夜漬けた料理を思い出した。かなり手間が掛かったと見えて、4年前に食べたきり、その後お目に掛かっていない。骨付きのGammon自体が高価だ。Gammonとはハム肉のように塩で養生された豚肉。茹でただけでも食べられるが、塩出ししてローストする料理法もある。まあ、この料理だと豚を塩漬けすることになるので、時間が掛かる。
もうひとつのヒントは、スイスやフランスの豚肉の塊の特性を利用するもの。こちらのスーパーの肉は、英国のそれとは違って、かなり脂肪が少ない。だから、ローストすると乾いた肉になってしまいがち。人間も英国よりもだいぶ細い。
その特性を使って、コーティングを充実しようと言うもの。焼き方が難しくなるが、ローストの美味さは表面が命
だ。でも、冷めても美味いチャーシューとはどこか違うかも知れぬ。
それでこのたび出来上がったのがこれ。
一昼夜、塩漬けにした後、軽く茹でて、半ば冷めたら表面の脂身を削ぐ。蜂蜜と粗挽のフレンチマスタードを塗って150度のオーヴンに入れて約40分。
仕事を少ずつ進めながら、こういう常備菜になるものを少しずつ作って行く。だけど、これが冷めても美味いかどうかは疑問。
ブタさんの肋骨が見ゆる。
ご当地料理とは言いながら、自分の食べたいものを作るわけで、材料やレシピでは決して無理しないことを原則にしている。さもなければ、毎日の料理は続かないし、最近流行りのフードマイレージにも影響する。
だからというわけではないが、ワインはスイス産とフランス産だけを購入している。安くて美味いが、拙の体内に石をつくる原料になってしまうために、たくさん飲めないがちょと残念。
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