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スイス人の不躾さには頭も来るし、閉口させられることも多いが、そういう奴らを相手にしているからこそ、「ここぞ」というときは損をしたくないと頑張る気持ちになる。
歯の治療ミスがあったので、数週間掛けて訴え続けた。もちろん、ミスとは言わない。ミスであることを主張すれば、かえって意地になって認めないばかりか、完全に否定されるだけだ。たぶん、この国のメンタリティとはそういうものだろうし、ヤクザやギャングが居ない分、一般人には「黙っていてなんぼ」のような考え方が浸透していると分析している。そういう考え方の背景になるものが、独特の主張を勝ち取ってきたスイス史の中に垣間見る。
ともあれ、どうにかしてその歯科医師にミスを認めさせようと案じた。衛生士に頼んで、調子の悪いところを診てもらい、X線撮影したら、問題が特定された。証人は衛生士であり、歯科医師は第三者の意見でミスを認めざるを得なくなった。
それでも、歯科医師はミスとは言わない。先のクラウンの形が不適切だったから、隣の歯の詰め物を取り替えて成形するということになった。
「コスト負担は私じゃないよね」
と念を押す。
「この治療には通常1000フランク(約10万円)掛かりますが、これはアナタのコストではありません」
「つまり、それはアナタ(歯科医師)のミスだからでしょ」
とは言わない。
ここは穏便に治療を待つのみ、と言葉を飲み込んだ。拙は無料の治療さえ確信できれば、それでいい。かくして、現在は健康な歯が夏の日差しの中で輝く。
もうひとつ、交渉勝ちの件。
盗まれたリュックサックの代わりを購入したが、5千円相当もしたのに、縫製が悪くて使い始めてすぐにあちこちがバラけ出した。返品しようとしたが、オリジナルのレシートを保険会社に送ってしまった。リカバリーにこれだけ掛かりました、というレポートに添付したのである。店員はオリジナルのレシートがないと返品不可と自信を持って言い切るので、一旦諦めた。
しかし、後日同じリュックサックが売られているのを見つけて、ムラムラと闘志が湧いてきた。レシートのコピーをコピーして、店員にマネージャと話させろと要求。マネージャはいろいろ考えた挙句、いきなり「OK,返金しましょう。不良品だもんね」
交渉してみるものだ。本日、損しなかったのは〆て1,050フランク。ま、10万円相当なんで、悪くないでしょ。
交渉にも国民性をみてやらんとね。一番難しい交渉相手は大阪のオバちゃんかな。