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未来予見学者と言うと、いささかサイエンスフィクションの匂いがします。
ジュール・ヴェルヌとかH.G.ウェルズとか、
子供のころに夢中になって読んだ空想科学小説の作者たちは、
没後の後世になってそのタイトルを受けています。
なぜなら、彼らが空想(予見)した科学技術が、
今日では現実のものとなっているからです。
今では、そのタイトルで仕事をしている人もいます。
昨日はその人物の講演を聴いてきました。
http://www.btinternet.com/~ian.pearson/
内容はウェブの中にあることですが、
冗談を交えて話の上手な講演でした。
「我々にはもはや実体験と仮想経験との違いがありません。仮想経験を第二の人生と呼ぶとしたら、今後の人生もどれだけ楽になるでしょうか。でも、浮気を仮想経験しているのを妻に見つかると、それでも逃げられることがあるので、ご注意を」
世の中にはこんな天才がいるんだなあ。
拙と同じ47歳。
メアド交換したので、今後は親友の一人になるでしょう。
ジュネーブでは市内各所の連隊がレマン湖畔のモンブラン通りに集結し、Mon Repos公園まで行進をしていました。
行進と言っても、ロンドンのホワイトホールを終日貸し切りにしてしまうほどの壮大さではありません。地元青年団みたいな自衛団の人々が集って行進するのです。
同じジュネーブ市内でも、所属機関によって、ずいぶんユニフォームも異なります。バイキングみたいな格好の人たちもいて、仮装行列の感は否めません。あいにくそういう人々の撮影が叶いませんでした。後から後から話しかけられるので、撮影どころではありませんでした。
司祭、スイス軍関係者、そして政治家。真ん中の紫のマフラーの御仁はグリーン党党首です。今後、この人を日本のメディアに出すのが拙の仕事。
行進はこんな感じ。
敬礼しているのはジュネーブ連隊の総長。
このトラックが運んできたのはマルド・ワイン。暖かくて美味。いい赤ワインもあるじゃん。
こういったコスチュームの撮影が出来ませんでした。地方色満載なんですけどね。
地元の名士も行進に参加。この人物は英国商工会議所会頭。今後の拙のビジネスコンタクト。
本日気になったのはこれ。このフェザーは何を意味するのか?これは敗残兵、逃亡兵を揶揄するときに使われるフェザーの習慣のようにも見えます。アレンジは外注だったそうで、英国総領事館側はなんとなく気分を害した様子。単なる誤解に落ち着かせてしまうのが、英国流事なかれ主義。たぶん、そういう措置になるでしょう。それにしても、英国らしさのない花束でした。
昨日の土曜日は第一次大戦と第二次大戦の戦没者慰霊祭がスイスのヴェヴェイで行われました。
本日、日曜日もジュネーブで違った形式で行われる予定です。
昨日、拙は風邪でこの慰霊祭に参加できなかったのですが、
聞いたところでは、第二次大戦でかなり多くのオーストラリア人とニュージーランド人がスイス上空で戦死しているとのことです。
とても意外な話ですが、連合国軍が兵士を空輸中に中立国のスイスに領空侵犯したために迎撃されたという事件はけっこう多かったそうです。
スイスではドイツだろうが、イタリアだろうが、連合国だろうが、関係なく火の粉を振り払っていたようです。
こんな話を在スイスの英国人ご老人たちから聞けるのをすごく楽しみにしていたのですが、発熱を伴う風邪で彼らにうつしてはなりません。80代のご老体ですから、この風邪をきっかけに、「日本人に殺された」と言われたら心外であります。
体調が戻りつつあるので、本日の慰霊祭には行こうと思います。
でも、最近は朝晩、零下まで気温が下がるんですよね。周囲の山々もすっかり雪景色です。
そういえば、昨年最も寒かった日は11月10日だったそうです。
今冬のさむーいスイスはまだまだまだ続きそうです。
昨日に引き続いて、山の話。
これも先週の話ですが、家族でモンブランのあるシャモニに行って来ました。ここもジュネーブから1時間のドライブ。近いっす。
フランス語圏の人々には「白山」そのものであり、「白山」と言えば「富士山」に匹敵する固有名詞であるわけです。では、他の一般的な「白い山」はなんと呼ぶのだろう、と不思議な気持ちになりますが、まあ、考えなくてもいいでしょう。
拙の知るモンブランと言えば、ナッツのクリームの上に栗の甘露煮が乗ったケーキですが、実物をどう眺めてもケーキには見えて来ません。ケーキのモンブランの命名はパリ説、自由が丘説とがあるようですが、地元にはモンブランという名前のついたパンがいくつかありました。シャモニの市場で飛ぶように売れていて、撮影は叶わず。フランスではこうした週末市場が盛況です。ここで刺身用の魚が入手可能です。でも、モンブラン寿司はなかった。和料理店「五月」があったのはその需要ゆえか。
さて、シャモニの街中を辿り始めると、こんな線路が。
アプト式登山鉄道であります。これだけ平らな面でもピニオンが敷かれているのはいささか疑問であります。箱根の登山鉄道に見られるピニオンと似ていますが、こちらの方がプリミティブに見えます。でも、これで充分なのでしょう。
ここから街中を行けども行けども、ツーリスト・インフォメーションが見えて来ません。道行く人々に聞いても、そういえば最近見ないなあ、とのこと。どこにあったのかを覚えている地元民も皆無。でも、看板や標識はあります。その時、結石のような腹痛が拙を襲います。拙は川沿いのベンチで休み、常備薬を。家族は街を巡ってみることに。
拙がうとうとしていると、妙な掛け声で目を覚まされました。どうせ子供の奇声だろうと目を伏せておりましたが、もう一声の奇声。目を上げてみると、目の前に4名のご老人。「こんなところでうたた寝をしたらあかんよ」という警告だったような気がします。でも、痛みが引くまでの10数分間ほとんどうたた寝しておりました。それにしてもあの発声、あたかも間の抜けたヨーデルの如し。でも、ここはフランス。
家族が戻ると、モンブランに面する山のふもとに向かい、シャモニー谷の反対側の山の上からモンブランを眺めようということになりました。ところが、ロープウェイ基地が大規模な改装中でした。ツーリスト・インフォメーションの事務所もその辺にあったらしいが、人気なし。
やむなく、モンブランのふもとにあるロープウェイ乗り場に向かい、モンブランに登ろうということになりました。で、ここでの問題が往復のロープウェイ料金。4人家族で111ユーロって、ほとんど2万円じゃん。高いけど、滅多に来ないだろうなあ、と登りました。
2317mの中腹Plan de l’Aiguilleでロープウェイを乗り換えます。そこでは万年雪に触れられます。粉雪で、握っても固まりません。あまりの冷たさに手が痛いと叫ぶ息子。陽が当たっていたので寒さは気になりませんでしたが、気温は0度前後かな。ここから、ハング・グライダーで下降する人々も居ます。ここから、モンブラン山頂まで歩いて行く人も居ます。
転げたら、確実に死。年間の犠牲者は10名以上。でも、そこに山があるのね。
我々はさらにモンブランに近づくロープウェイに乗り込みます。ロープウェイ基地に近づくにつれ、徐々に異変が起きています。50名あまりのすし詰めの車内ではかなりの人たちが気分悪そうな表情をしています。拙も頭痛がしてきました。到着直前に車内の真ん中で倒れる女性がいました。軽い脳震盪のようでしたが、これは明らかに急性の高山病。過呼吸と思しき人もちらほら。
ロープウェイを降りて、さらに高いテラスに進む途中、階段や通路のあちこちに吐寫物が見られます。階段を登るうちに拙も息切れします。「あれ、この程度の階段でこんな筈では」と思ったものの、これも高山病の症状。頭もふらふらします。さらに高いテラスに登るにはエレベータに乗り込みます。ロープウェイ基地の標高が3776m。エレベータの到着地Aiguille de Midiが3842m。そこからモンブランを臨みます。
吐き気と頭痛と朦朧とした気持ち悪さと折からの腹痛を抑えながらの絶景でした。でも、子供たちは誰もが元気にしています。若いって素晴らしい。写真を撮ったり、いろいろな景色を眺めては1時間ばかり過ごしましたが、けっこう辛かったです。目の前で突然吐き出す人もいたけど、皆さん、それでも楽しそうでした。
「うえー、げろげろ、いい景色だなあ」
笑顔のゲロゲロを見たのは初めてであります。
昨日紹介した近所の山登り先はこの景色の中にあります。ここも雲海の中。
ロープウェイで下山途中、ペットボトルで水を飲もうとしたら、ボトルが変形して潰れていました。頂上で飲んで、1/4ほどになっていましたが、中身が満タンだったらどうなるんでしょうね。地上で満タンだったものは、4000mの頂で蓋を空けた途端に噴出すんでしょうか?はて?
帰宅して気付いたのがこのボトル。頂上で飲んでから帰宅するまで一度も見ていませんでしたが、2段階で地上の空気圧を受けています。たぶん、標高2000mにしばらく居たので、そこで受けた気圧と地上の気圧との2回に分けて気圧変化を受けたゆえでありましょう。エヴィアンのペットボトルがひょうたん型になってしまいました。もちろん、蓋を空ければ同じ気圧になって元通りのカタチになりました。
気持ち悪くなるくらい、気持ちいい。最近、もっとも気持ちいい経験でした。あと何回シャモニに行くのかな。
先週のことですが、娘と息子が英国からやって来た1週間にしたことは、旧市街巡り、エスニック系買い物場所調査、CERN博物館(インターネット発祥の地)、近所の散歩と山登り、そしてモンブラン登頂(by ropeway)であります。
それぞれ、すべて下書きしてあるのですが、なぜかここにアップしていません。今日は今日で赤十字本部に行って来ました。そのうち、仕事にも関わらせながら、国連関係と世界機関の団体をどんどん訪問して行こうと思います。その内容は商売記事にするけど、ブログに書けるかどうかは疑問。
で、本日は最近二番目に気持ちよかったことを紹介します。一番気持ちよかったことは次回(明日か?)
近所の山登りであります。
山と言っても何か妙ではありませんか?
そうです。ここはスキー場であります。リフトの基地まで自転車で登頂する強者もいました。
登りは辛いだけでしたが、登っていくヒトたちがけっこうたくさんいるので、きっと絶景が待っているに違いない、と約1時間、急斜面と格闘しました。途中でジグザグの登山路に気付きましたが、直線最短距離を邁進。体感気温は5度以下でしたが、汗を滴らす臭い男に。
海抜1550mで、雲は眼下に。
息を整え、この絶景を眺めながらパンとチーズと生ハムの昼食。雲海の向こうに見えるのはモンブランであります。
辛(つら)気持ちいい登山でありました。