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とりあえずジュネーブをうろうろしてます。
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生まれて初めて他人様の子供の面倒を看た。

しかも、6時間も。

知らせは急だった。

「すいません、娘のPが急に熱を出してしまい、彼女の面倒を看る手段がありません。助けてもらえますか」

近所で世話になっている家族Nの依頼。断るわけには行かない。その4歳の娘は拙にとても懐いている。

「Pの面倒看ながら、仕事してもいいですか?」

「ええ、もちろん」

この時点ではそんなことが不可能であることなど思いも寄らなかった。

「ねえ、ダディ。どんな名前がいい?」

「え、(ダディじゃないし)日本人の名前じゃどう?」

「ダメ。私とピクニックに行くんだから、日本人じゃダメなの。そうだわマシューにしましょう」

Pはときどき咳き込み、鼻水を啜りながら、

「アナタは何もしちゃダメよ。全部アタシが用意するから」

「ねぇ、P。僕は日本人に見えないの?」

「うーん、判んな~い。でも、英語しゃべってるから」

「君の同級生にも日本人はたくさんいるでしょ。英語喋っているでしょ」

「でも、あんまりよくない。いい子たちじゃないし」

「日本人の名前は?」

「アレキサンダーとぉ、マクベスとぉ、セーラとぉ、キンジャオとぉ・・・」

「え、日本人なの?」

「そうだよ。アナタみたいにイチ、二、サン、ヨンって言うもの」

「???、まあ、いいや」

「そんなことより、ピクニックは終わりよ。赤ちゃん寝かせるから手伝いなさい」

たぶん、Nは普段から奥さんにこう言われているんだろうなあ。

ベビーシッターは家族全体が見える。4歳の他人様の子供と長時間に渡って付き合ったことも始めてだったし、このように懐かれ、信頼されることも光栄と言えば、光栄だ。

でも、んー、、、2回目はいいかな。

今から仕事だ。

あの6時間分を取り戻さなくては。

Pの画像を見たければ、11月1日のスペース2番目の画像へ。

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チャーシューをよく作る。

ご当地食材を使って、出来るだけ和風チャーシューに似せる工夫はどの国に住んでいても、拙の至上料理である。

拙の言うチャーシューとは、煮豚や角煮のことではない。もちろん、日本の多くのラーメン屋で出される煮過ぎてとろとろに溶けるよな誰にでも作れる「煮過ぎ豚」でもない。オーブンで作るチャーシューのことだ。

英国で到達したレシピはダークソイ、中白砂糖、オイスターソース、にんにく、しょうが、前回のチャーシューの残り汁を混ぜ、適度な脂身の肉1kgをその中に6時間以上漬け込む。焼きはオーブンを150度くらいにして40分から1時間掛ける。低音でも焦げる。発がん性物質を含むと言われるこの焦げが好きだ。焼きあがって、まずこの焦げを食べる。緩慢な自殺か。

スイスではダークソイが高価な上、いい品質のものがまだ見つからない。大きな中華街があれば必ずあるものだが、この多国籍者の国ではなぜか中華街がないし、良質な店も見当たらない。砂糖の種類も異なるし、種類自体が少ない。オイスターソースにもチョイスは少ない。

肉自体も店頭で頼める語学力がない。ブッチャーたちは英語を解してくれない。脂身15%くらいのブロック1.5kgと伝えたところで、赤身を渡された。仕方ないので、脂も別途買って、糸で赤肉に巻いて焼いてみたが、美味くなかった。そうなって、煮直された豚は角煮に変わる。今度はイングリッシュマスタードか和カラシが欲しくなる。フレンチマスタードはどうも・・・。

チャーシューの味付けの要はコクであり、深みである。他にどんな工夫があるだろうか、と物色する毎日。

ひとつのヒントはコカコーラ。以前、義理の妹が豚の骨付きガモン・ステーキ肉をコーラに一昼夜漬けた料理を思い出した。かなり手間が掛かったと見えて、4年前に食べたきり、その後お目に掛かっていない。骨付きのGammon自体が高価だ。Gammonとはハム肉のように塩で養生された豚肉。茹でただけでも食べられるが、塩出ししてローストする料理法もある。まあ、この料理だと豚を塩漬けすることになるので、時間が掛かる。

もうひとつのヒントは、スイスやフランスの豚肉の塊の特性を利用するもの。こちらのスーパーの肉は、英国のそれとは違って、かなり脂肪が少ない。だから、ローストすると乾いた肉になってしまいがち。人間も英国よりもだいぶ細い。

その特性を使って、コーティングを充実しようと言うもの。焼き方が難しくなるが、ローストの美味さは表面が命
だ。でも、冷めても美味いチャーシューとはどこか違うかも知れぬ。

それでこのたび出来上がったのがこれ。



一昼夜、塩漬けにした後、軽く茹でて、半ば冷めたら表面の脂身を削ぐ。蜂蜜と粗挽のフレンチマスタードを塗って150度のオーヴンに入れて約40分。

仕事を少ずつ進めながら、こういう常備菜になるものを少しずつ作って行く。だけど、これが冷めても美味いかどうかは疑問。


ブタさんの肋骨が見ゆる。

ご当地料理とは言いながら、自分の食べたいものを作るわけで、材料やレシピでは決して無理しないことを原則にしている。さもなければ、毎日の料理は続かないし、最近流行りのフードマイレージにも影響する。

だからというわけではないが、ワインはスイス産とフランス産だけを購入している。安くて美味いが、拙の体内に石をつくる原料になってしまうために、たくさん飲めないがちょと残念。



雨のジュネーブ旧市街、寒い。

体感温度はさほどでもないのだが、濡れた靴とズボンは体温をどんどん奪う。この場合は防寒よりもウォータープルーフだったな。それでも、2時ごろから6時ごろまでエスカラードの最終日の雰囲気を愉しむ。

城壁周辺を何度も回る。通り過ぎるたびにいろいろな新しいものを発見する。8月に来たときに入ったスペゲティ屋、とても不味い。入ってはならない店。その先にあった市庁舎事務所は15世紀のものらしい。

雨風と寒さを凌げるので、こちらに進入。祭の時だけに市役所の職員たちが民族衣装で所内のツアー案内を買って出る。フランス語だったけど、聞き取れる単語をなんとか聞きとめ、録画、録音をして、さっそく街並み散策。ロンドンで拙は散歩のプロ。はい、散歩で飯食っています。今回は初のフランス語の散歩、絶対出来っこないと思っていたけど、けっこう面白かった。



歴史に造詣の深い市職員、英語の質問でも丁寧に応えてくれた。



こちらでもっとも印象的だったのは1864年の国際赤十字の成り立ち。アラバマハウスと言われる市庁舎の一階、黄色の間に飾られているこの絵画には、創設者アンリ・デュナンなどが含まれている。



上の写真の人物のレイアウト。1番がデュナン。13番が英国代表のロングムーア外相。あまり有名なヒトがなかったのは意外。



これがアラバマハウス。USAのアラバマ州とは無関係のようだが、今後の調査対象。ここはジュネーブという地域の行政組織なのに、なぜか国際会議の舞台になっている。アメリカの南北戦争の事後処理もここで行われたことになっている。永世中立国の役割って大きいなあ、と実感。なにしろ、日本の文明開化や戦中戦後処理にもスイスはとても貢献しているからね。



これは議会内の壁絵。かつて、この議会は裁判所だったこともあったとのことで、刑罰を受けた人々が並んでいる。よく見えないヒトのために以下のように拡大画像。



ね、両手が切られているでしょ。でも、罪状は判らず。来年のこの時期までには判るかな?




自分のブログにアクセスさせるために、意味のないコメントを残す輩がいる。あいにくこのブログはそういう輩を排除するシステムを持つ。なんなら、貴君のIPアドレスをここに公表しようか?誰にも相手にされなくなるぜ。


ということで、前回の続き、


どっちがいいとか悪いとかではなく、どうやって事故を避けるべきか、と考えさせられる。とりあえずやっているのは、ポンピング・ブレーキ。減速しない程度にブレーキライトを付け、後続車をドキリとさせる。クラクションを鳴らす奴がいるけど、それはこちらの思う壺だ。ぶつかったら「おめーさんが近過ぎんだよ」と言える。制動させずにブレーキライトを点灯する技術は難しくない。前方車ブレーキに反応できないのは後続車の責任。

 

察するに、東京のドライバーも、スイスのそれもどちらもルールワイズなのだろう。どちらも「それはオレの権利だ」と言わんばかりの態度で空気を読まない。洒落にならないほど主張するだけのつまらない奴らなのかもしれない。

 

で、実際にスイスの奴らは話してみると、なんだか議論ばかりしている。この数週間でケンカした相手は思い返してみれば、皆店員やプールの水浴客など通りすがり程度の連中ばかり。皆、英語を話せと言うとなぜか怒りだす。たぶん、話せないからだろう。拙は絶対に泣き寝入りしないので、相手も苛立つのだろう。でも、拙は基本的にどんな相手でも尊重するから、相手にも同じことを望むのみ。

 

ひとつのくだらない例、

 

国連近くの国際競技で使われる水深2m50cmのプールでの話。ゆっくり泳ぐ婆さんに別のレーンを指差され、フランス語で何度か怒鳴られた。

たぶん、ここはゆっくり泳ぐスペースだから、速く泳ぐなら向こうのレーンに行けと言いたかったのだろう。でも、拙よりも速い人たちが同じスペースで何人も泳いでいる。

なぜ、拙だけが言われなきゃならないのかが判らん。言いたいことがあるなら、英語を使ってくれ、あるいは監視員に伝えてくれたら、彼らは英語で拙に説明してくれるだろうと言うと、文句を言いながらまた泳ぎだして、器用に垂直の平泳ぎで沖に流れ始めた。死ぬなよばーさん。

拙はルールを侵しているつもりはない。たぶん、彼女のお気に召さないのだろう。それは彼女にとってルールの上をいく規範、ザ・マナーに相当するのかもしれない。でも、醜い顔でこちらを睨みつけるのは十分にマナー違反だ。美しい老人はなぜかヒトを睨まないな。ヒトを睨まない老人は美しい。あれ?

 

拙が日課の1kmを終えて、息も絶え絶えプールサイドで整理体操をしていると、相変わらずその婆さんは平泳ぎで拙の方をにらみつけながらまだ何かを言っている。眉間に皺を寄せているので、ジュテームと言ってるような雰囲気ではないが、なかなか器用なバーさんである。扇子を持たせたら江戸芸のひとつでもやれるんではないか。口から噴水を吹き、入れ歯が飛び出すってオチか? 

彼女がターンするところまで寄って、「マダム、一体何が問題なの?あなたは私の言っている英語くらい判るでしょ。私がルールを侵しているのなら謝りますよ。でも、アナタのやっていることはまるで人種差別ではないですか?」そのとき、彼女は驚いたような顔をし、握手を求めて
Reconciliationと言った。やっぱ、英語判ってんじゃん。ずるいなあ、ばあちゃん。

 

こういう態度を日本では卑怯と言うんだけど、スイスではどうなのかね。

 

後々、トラブルになるのは避けたいので、監視員に一部始終を話しておいた。そして、もし私の行為に問題があるなら、遠慮なく教えて下さい、と下出に出ておいた。

その様子をじっと見守る人たちが居てちょっと恥ずかしかったが、この国の法律がよく判らないので、証人を作っておいたまでだ。

 

その拙を見つめる中に、自分のコースを堅守して、混雑しても決して水路を譲らない若い女性がいた。10m幅はあろう、広いプールサイドのコースラインに捕まって休んでいたら、彼女にPardonと言われたのは意外だった。

この場合は「ごめんなさい」ではなくて、「そこをどけ」という意味。「方向を3
0cmだけ変えたら、それでぶつからないんだよ」と英語で言うと、フランス語でまくし立て始めた。こいつも英語判ってんじゃん。これがスイス人のネイチャーなのか?つまり、杓子定規の石頭で、じぶんを正当化することばかり。おまけに英語だったら議論で負けるかもしれないことを見越したフレンチな態度だ。こんなハレンチな奴らとこれからどうやって仲良くなれるんだろう。こんな連中を相手にしてどうしてフランス語を学ぶ動機付けが出来ようか。(おお、反語文)

 

今はこう書いているけど、後々考え方が変わるかもしれない。で、変わった時には今考えていることを忘れちゃうんだよね。恥ずかしながら備忘録。多感な47歳。うf。

 

 

これは今回だけのタイトルではなく、カテゴリにするのが適当だろうか。とりあえず、今回はこのタイトルで。

 

スイスに住み始めて早7週間、滞在日数が減っていくことは正直なところ好ましい。旅行滞在先に飽きて、もう帰りたいなあ、という類の気持ちは毎日何度か起きる。そういうのがひどくなって欝状態になるとホームシックというのだろう。ホームシックは心理的な病気だが、シックハウスは家がもたらす物理的な病気。どっちもやだねぇ。

 

そんなスイスでも、数年後に別れを告げるとなれば、寂しさも湧き上がるに違いない。とは言え、まだ生活は始まったばかりで、未だに地理感覚で錯綜することもある。常識の差や言葉で過剰な思考を要求されることもある。

 

ジュネーブという多国籍の街ではスイス人に出会わないということは珍しくないのだが、今までを振り返ってみれば、数名のスイス人と接触していたことに気づく。そういえば、スイス人だと名乗っていたのは、医師、店員、働くオジサン、おばさん…。

 

まず、スイス人の特徴として挙げ易いのは自動車の運転である。これは土着の人間たちが作ったルールで皆が同じように動くものだ。国際ルールとは言え、当然ながら、スイスにはスイススタンダードがある。彼らの運転の特徴を挙げると、まず道を譲らない。クラクションを多用する。方向指示器を使わない。後続車はライトが見えないほど接近する。

 

ある意味で京浜地域の運転に似ているが、阪神地域とは異なる。阪神地域は道を譲るが、それでも事故が多い。かなり強引に進入しながら、相手が譲って当然という意識があるのだと思う。兵庫県の事故件数は日本でナンバー1だ。英国ではルールで決められていなくても、道義的に格上の「マナー」が働く。譲らなくてもいいところで譲っては、後ろから追突されている。エレガントなアホだ。ジュネーブではなかなか割り込みをしない。幹線側の車もなかなか譲らない。スペースを開けたら損するとでも思っているのか。後ろから追突されそうもないのに…。そのうちタイミングを計ったつもりで進入した車が見事にぶつかっている。譲ることで生じるベネフィットを考えないのは、権利意識の強さゆえだろうか。

続きは明日。

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