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とりあえずジュネーブをうろうろしてます。
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数独の父、鍛治真起さんから数独通信を送って頂いた。

大したこともしてないのに、先の講演アレンジを気に入って頂いたようで光栄至極。

数独の父、鍛冶さんは日本人だが、

数独の祖父、レオンハルト・オイラーはスイス人だ。

歴史的にいろいろな人たちが関わっているが、

ラテン方陣のパズルに命を吹き込んだのはこのご両名。

鍛冶さんは出版社二コリ社の社長さんだ。

レオンハルト・オイラーは数学者だ。

実業家が父で、数学者が祖父だ。

なんだか面白い。

数独の子供はどうなるんだろうか。

たぶん、数独パズルはこれからも進化していくのかもしれない。

そうすれば、子へと継承されていくのだろう。

鍛冶さんの話では数独を作る人たちは一種独特なのだそうだ。

「牧歌さん、あんたみたいな社交的で、いいヒトじゃ勤まらないよ」

普通とは違う天才たちなのだろう。

凄い集中力があるので、社交なんか気にならないんだろうな。

そういうのもいいなあ。

拙は天才にはなれそうもない。数学者オイラーよりも、拙にはかゆみ止めのオイラックスが必要だ。スイスは乾いて候。

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連日世界中からクリスマスカードが届く。

e-greetingなど、もはや珍しいものではないが、これを環境面から捉えて、「今年からe-greetingにします」「・・・させてください」「・・・でお願いします」と表現も様々。言葉使いで、その自覚の強さが知れる。

3年前に拙も同じことをしたことがある。

理由はやはり森林資源の保護。

ところが、「味気ない」と、とても不評で結局「紙」を使って返信することになってしまった。翌年、翌々年とカードを送っていたが、やはり少々気になるのは紙の消費問題。

そんなことを考えさせる今日この頃、

あのマラソンのマーラ山内からe-greetingが来た。彼女もやはりエコに貢献したいという考えだった。ようやく世の中はそういうトレンドに乗っかって来たのだろうか。

エコ関係誌に寄稿する今となっては実践するエコ活動も増えた。実際にやってみないことには、本当にエコかどうかもわからない。

ネットをやらない人たちも居るので、彼らには伝統的な挨拶を送る。出来れば、はがきで。カードと封筒では地球に負担が掛かり過ぎる。

普段から拙とネットで交信の皆様、

今年の拙便りはネットで送らせて頂きます。

こちらからも年内中に配信させて頂きます。

クリスマス、歳暮、正月・・・。

包み紙文化はまだ続くのね。



最近はただ飯が続いている。

「ただ」と言っても漫然としてただ飯を食べているわけではない。

無料の「ただ」ほど怖いものはないことはご承知の通り。

体重は減っているのに、体脂肪が増えているのは怖い。洋食があまり得意ではないので、かなり残すのだが、それでもカロリーが多いのだろう。

無料とは言え、提供する方は見返りを求めるだろうから、本当にただであるわけがない。断れないようなことを依頼されるのは怖い。既にコミットメントを求められた案件もあるし、うう。

せっかくチャーシュー作ったのに、

先週はほとんど家で食事をしていない。

昼と晩に招かれて、どちらもフォアグラを出されるなんてこともある。

どこに行ってもフォアグラだらけ。

脂肪肝だらけって言うとこれも怖い。

レセプションのオードブルでも見かけた。

「おお、フォアグラまた会ったな」

と肩を叩いてやりたくなる。

「オレに日本語で話しかけるな」

と言い返されそうだ。

「生意気だ」と食ってしまおうか。

いつもの拙は一口だけ頂いて、鴨に合掌し、

フォアグラの下に置かれた魚や野菜を頂くだけ。

今朝はフランスの市場に行くと、

「フォアグラはどうかね、ムッシュウ」(たぶん)と声を掛けられて、

「そんな不健康なものを売って罪悪感は湧かないのか」

と英語で言ってやると、

両手を広げて空とぼけた表情をする。

こいつも英語判ってんじゃん。

不健康なものを売っているのを知っていながら、アフォの振りかね。



拙はアンキモが好きだ。

フォアグラにテクスチュアは似ているがあっさりしている。

フォアグラ食べ過ぎて、自らが脂肪肝になったという話をよく耳にする。

いくらアンキモを食べてもアンコウにはならないだろう。

きれいな海水にしか住まないあんこうの肝は健康だ。

しかし、フォアグラは不健康に育てられた鴨の肝だ。

あんきもでも食べ過ぎれば、人間をフォアグラ状態にするのだろうか。

確かに尿酸値は高いけど、年に一度でもお目にかかれたら嬉しい。

「おお、アンキモさん。年末ですが、今年もよろしく・・」

食べるなら、健康なものだけを食べたい。

フォアグラはもういい。それ以前に、鴨が気の毒だ。

 

ジュネーブという外国人70%の国際都市に住んでいて思うこと。

 

多国籍者が寄り合って、世界中の価値観が流入することが国際化であると手前勝手ながら定義付けさせて頂くと話は易い。地元の価値観と世界中からの価値観とがどのように接するのか。いきなり融合とか、衝突とかにはなりえない。両者の価値観を比較するのは面白いけれど、面白いと思う前に理解することは想像力を伴うし、さらに受け容れるとなると目からウロコだったり、逆に苦痛を伴うかもしれない。

 

置かれた立場によって、その価値観との付き合い方は結構変わるもんだ。

 

例えば、駐在期間の決まっているヒトたちは旅行者気分になることで、受け容れたフリをして生活していくのだ。移民は受け容れてくれた国に対する敬意を払って同化しようとするけれど、シンジケートを作ってその中で自文化を維持する。難民たちも受け容れられようと努力している人たちが大半。もちろん、受け入れ国の法律を逆手にとって、強き弱者に変身する人たちもいる。それらはすべて生活の知恵だ。社会問題として取り上げるメディアは多いけど、我がことに照らしたら批判は出来ない筈。

 

こうやって、その価値観を立場別に区分けして考えてみると、うまい具合に整理が付く。

 

駐在、移民、難民、アサイラム・シーカーなどなんでもいいけど、彼らがジュネーブ、ロンドン、東京などに持ち込む価値観とは、人間として最低の決まりごとである法律、地元の一般ルールであった慣習、ご当地の特別法であった因習、地元ならではの排他性を持つ常識、あらゆる規範の成道と言うべき道徳、道徳の根幹を成す宗教、あらゆる価値観の整合性を追求する倫理などに拘束されているものだ。

 

今、拙が思いつくだけでも、一人の人間が持つ価値観は、法律、慣習、因習、常識、道徳、宗教、倫理など少なくとも7つ以上の規範を背景にして成り立っている。ひとつの事柄についての判断や決定が東京と大阪という文化圏の違いだけで異なるように、在外人の判断が当事国者たちの間で、価値観がそぐわないことは当然と言えば、当然のこと。

 

こういうことは、新しい場所に来るたびに考えることだが、文章にするのはこれが始めて。だからこそ、思いついたときに勝手に書き込む「備忘録」であるわけだ。

 

ただ、どんどんいろんなことを考え付くだけに、忘れっぽいのかもしれない。まあ、記憶はこうしてPCに頼れる時代になったということで、脳みその労働を軽減。やることも多いしくらのすけ。あ、しまったようこ。ボキャが多いゆえに生じる親父ギャグ。若者には真似、モネ、ドガ、ルノワールできまい。

 

ともあれ、次回にでも「国際結婚」をその6つの規範の立場から眺めるとどうなるか、ちょっとだけ語りたくなった。反響があれば、有料記事に? ねえ、編集長。二番煎じばかりでなく、たまには先行先取りは如何? 駄洒落は文字数に含まれません。

 

 


スイスだけでなく、大陸に通じる国際交通ルールだと聞いてさらに驚いたのが、この右側優先ルール。

 

まず、幹線道路を右側通行で直進しているとしよう。右の側道から出てきた車に道を譲らなければならないというものだ。同時に、幹線道路に出る車は左から直進車が来ても、そのまま右左折してもいい、というルールだ。

危険極まりない、と思った。

 

 
「優先権を行使せよ」

と、言われましても・・・。

 

だが、しばらく運転していて、気づいたのはスイス人とフランス人の持つ独特の法意識と権利意識。権利あるんだから、と言って空気を読まずに権利行使する姿を目にすると、さもありなんと納得しつつある今日この頃。

 

こういうルールがあるから、道を譲らなくてはらない、という考え方にはならないらしい。この法源については在スイス20年の英国人弁護士から聞いたこと。

 

「英国ならこのルールを適用する必要はないだろう。ええと、英国は左側通行だから、右から来る車が優先になるのかな。ラウンドアバウト(ロータリー)でも同じことだから、判り易い。でも、大陸は違うのさ。そんな細かいことまで規定しないとかえって事故が起こると考えられているのさ」

 

つまり、在スイス英国人に言わせれば、右側から出てくる車は直進車に道を譲って貰えなくても、権利として幹線道路に侵入できるのだから、交通マナーのような高尚な意識は欠如していてもいいということらしい。しかも慣れてくると、この方が安全性が高いということらしい。

 

もちろん、この優先道路の対象外となる道路も多い。それでも、側道からの停止線の位置がかなり幹線道路に食い込んで感じる。いや、実際に幹線道路にカットインしているのだ。お陰で、側道者からは幹線道路の左右を確認し易い。幹線道路はその侵入具合にドキリとしながら直進することになる。

 


なんだかよく判らない標識もある。

もう何度か目の前にしたことだが、直進車と側道車とが道を譲り合う場面はいつも興味深い。拙の車に同乗していた英国人は言った。

 

「あれは譲り合っているんじゃなくて、権利を主張しあっているんだよ」

 

その後、その2台は大きな音を立てて、拙の行く手を20分間ほど遮ることになった。ナンバープレートを見るとスイス車とフランス車だった。道を譲られても、譲っても後続車に追突されるリスクは変わらないんだよなあ。

 

 



ラウンド・アバウトもアンチ・クロックワイズ。

なんだか、スピードが乗らないんだよなあ。気のせいか?

そういや、プールでも同じ向きで泳ぐなあ。歩行者は左側なのに。

これが「優先道路」の標識。
こちら側にこれがあれば、こちらの直進が優先。



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