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とりあえずジュネーブをうろうろしてます。
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週末は塩分の取りすぎで喉が渇く。

炭酸系ミネラルウォーターが好きなのでがぶ飲みすることになる。

英国では2㍑で19ペンス(50円)の強烈炭酸を飲んでいたが、ジュネーブでは安くとも1㍑1フランクか1ユーロ。英国の2~3倍。炭酸濃度は低い。

グラスが空になったので、冷蔵庫を開けると、まだ残っているのは、

うに、イクラ、しゃけ、アジ、マグロ、燻製薄塩タラコの五品。

家族4名で分けても量が多い。

明日も刺身か寿司か。うーん、ちょっとやだな。冷凍するか。

イクラは後日しゃけ尽くしどんぶりにするため開封していない。

タラコは使うごとに密閉しているので、まだ日持ちする。

大根の千切りを塩に馴染ませ、塩気を取ってから昆布だしとタラコを混ぜる。

思いつきで作ったが、あまりの美味さに娘興奮。

でも、素材を聞いてがっかり。 「え、タラコと大根なの?」

食わず嫌いをこうして変えるのは楽しい。



土曜の朝、フランスの市場に行くことは何度も述べている。

そう、何度も行っているからだ。

今回は息子を同伴した。

フランス語を話せるからだ。

フランスの「その」魚屋は英語を話さない。あれは相当なイジワルだ。なぜなら数字では英語で言えてるからだ。話が込み入るのを避けるためであるとか、自らを有利にするためということもあるのだろう。合計20年を超える国際関係業務で、商社マンと航空社職員時代からいろいろな国籍の人たちと付き合いがあるが、どうも昔からフランス人のメンタリティは合わない。会議で英語で議論しても、何あれ?と思うようなことばかりだった。拙に言わせれば、ジュネーブだってフランス文化圏だ。言葉の作り出すメンタリティは存在する。英語には英語の、日本語には日本語の、そしてフランス語にはフランス語の。

でも、「アイラブユ」と「愛してる」は受け容れられる言葉であっても、「ジュテーム」のような粘着質の言葉を聴くと耳をシャワーで洗いたくなる。拙は日本語と英語に馴染んでいても、それぞれのメンタリティを分析し、理解出来た段階で、他言語を話すヒトたちの気持ちがわかるつもり。ところが、フランスに住み、フランス語を話す機会を強制されている今、残すところ3年9ヶ月の滞在で、この聞きづらいフランス・メンタリティのどこまで理解に近づけるだろうかと自信がないどころか、やる気がない。おまけに、フランス料理はソースの天才だが、素材の味が判らなくなるので、あの点でも拙はいまだに馴染めないままだ。 クリームソースやフォアグラの乗った料理を思うと、なんだか突然320円の「信濃そば」が食べたくなる。2ユーロや3フランクでは腹は膨れないのがスイス。

そんなことを一瞬で考えたわけではないが、脱線の仕方がひどいので、話をもとに・・・。

まず、魚屋には息子を近づけさせてみた。

Est-ce que cest possible de manger cru, a la sashimi?
「それは生で食べられますか」

40cm強のメアジを目の前に息子に言わせたが、声が小さい。

possible de manger cru?  sashimi?

拙はその言葉だけで押し通して、3種を得る。他にもスズキだの、メバルだの、ヒラメだのと白身の美味そうなのがぞろぞろしているのに、息子たちのリクエストはこれだけ。なんでアジが好きかなあ。安いのでたくさん食べさせたせいかな。そういえば、あの店行きそびれましたよ、だびっとさん。ハマチはやっぱ最高です。ブリ照りにもすれば、用途広いし。

そして、この日の掘り出し物は直径5cmはある「ウニ」



バフンウニかなあ、と首を傾げながら6つ購入。

500gで10ユーロだから1600円くらい。築地よりもだいぶ高いな。

でも、これだけの大粒は滅多に見ないし、子供たちにも食べさせたい。

ところが、



解体すると出るわ出るわ、海草と水。

そして、卵巣や精巣である実の部分が少ない。スプーンでこそげ取って、塩水で内臓物をすすぐと、500gのウニから取れたのはたった60g。

しかも、美味さはなにやら微妙だ。とても美味いわけではない。昆布醤油を垂らして、滑らかさが出ると「まあ、ウニらしいかな」という程度。

それもそうか、旬は春から秋だ。今はおおハズレ。ウニたちの恋路を妨げることになるが、恋多き季節を選ばねば実も少ないし、美味さも落ちる。恋はおいしいのだ。今回は完全に失敗。

珍しいものをたくさん見ると、「あ、旬なのか、そうなのか。でも、会話できないしな」と焦って買ってしまう。築地のおっちゃんたちなら、とぼけて尋ねることも出来るが、仏語ではそんな話術などもちろんない。でも、今後の糧になる。旬の魚はどれどれと調べておこう、とここにも書いておこう。まあ、日本と同じだろうけどね。

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目覚ましは7時に鳴るが、外は真っ暗。

今日は急ぎの用も無いのでと、ライトを点けてベッドサイドテーブルにあった本を読みながらウダウダしていると、8時の時報が我がケータイから。

外を見るとまだ暗い。

暗いよ、スイス。根暗なんじゃない?

でも、街に出てみるとキラビヤかなイルミネーションとクリスマスデコ。

そうか、こういうのがポジティブとヒトは思うのね。

己の心の闇を見つめずに、

電気たくさん使ったイルミネーションが現実逃避させてくれる。

これじゃ現代人は逃避しっ放しだ。

逃避しきれなくなったらどうするべ?

行き着くところは自殺なんだろうな。

昔は交通事故死者数と同数だったが、97年からその3倍。

何が契機になったか。拙には聞かないで下さい。白書を見れば、いくらでも、たらこでも答えは出ます。自分で考えてください。

西洋人は冬至をクリスマスで乗り切る。

日本人は歳暮や大晦日の賑わいで乗り切る。

はて、一体何を乗り切ったのだろう。それも自分で考えてね。

それにしても、なんて不親切なブログだろう。

21日は真っ暗な冬至で、曇天だったので、モントルーに行って登山鉄道でRoche山に登って来た。

どんよりと曇った下界ではあったが、

いくつかのトンネルを経ると、本当に雪景色で、しかも晴天。なんでわざわざこんなところに住みたいのかと不思議に思ったが、充実した設備の中に家が連なればそれも納得。各戸のためにそういうインフラが整っている。

住民は雪国に好んで住み着き、スキーを生活の糧にしている。

画像、若者とのインタビューなどは明日か、次回。

やはりスイスの若者はけっこう英語が使える。使えない連中はたぶんフランスからの通勤者。


坊主というのは足が速いのだろうか。この気ぜわしさは坊主も走る季節だからだろうか。今年もややあって残り少なし。一応、依頼された原稿は上げたものの、日英、基、日瑞西間の暦が異なるので、休んだ気にならないこともある。

こどもたちと6週間ぶりに再会。

空港で見るなり、息子の髪型は爆発していた。

帰宅して、バリカンで刈ろうとするも、長すぎて刈れない。

はさみは大したものを持っていないので、どうもうまくやれる自信がない。

息子は父の自前の髪型を見て、これなら頼めると思ったそうだが、最短でも5cm以上の長さの剛毛に電気バリカンは空を切った。

「全然切れないよ。まず、はさみで短くしないとダメだけど、お前の毛を刈ったら、はさみが切れなくなる。お前の天パーだと直毛とは違って、長すぎるとバリカンでは刈れないよ」

拙もがっかり。タダで散髪できると思っていた息子もがっかり。明日は息子を散髪に行かせるしかない。「フランス語満点取ったんだから、髪の切り方くらい注文できるだろ」いえ、中2程度のフランス語じゃ無理です。



ジュネーブに到着してから1度だけ床屋に行ったが、どうも好きになれない。以来、2週間に1度、自分で散髪を始めた。

理由は散髪代が英国の3倍。言葉が完璧には通じない。気に入った髪形にしてくれるまで通常2年以上掛かる。スイスの床屋は短く切り過ぎるし、スタイルも極端。

到着早々、床屋に行くとゴルゴ13のような真四角の髪型にされた。

そう、香港やくざ的角刈りなのでそう難しくない。

ならば、と電気屋に行って、バリカンを購入。

自分で髪を切ることにした。

やってみると、意外に難しくない。

慣れてみると、次回は、ああやろうとか、こうやろうとか。

設備投資も少ないし、メンテも簡単だし、なんと言っても他人に頭を触られる苦痛の時間を避けられる。これが英国人や日本人の理容師なら会話の妙もあるのだが、ジュネーブ人ではそうもいかない。英語では話が弾まないし、互いに気遣うし。

こうして、自分で刈っているうちに気づいたのが脳天の薄さ。

カッタの長さは3mmから25mmまで10種類を使うのだが、てっぺん辺りで短めのカッターを使ってしまった。「あっ」とは思ったものの、まあバランスを上手く取れば、と全体を短めにしてみた。

すると、脳天を短くしただけにしてはどうもその辺ばかりが白っぽい。ちょっと気になるものの、鏡を見なければ忘れる。

しかし、髪の毛を見た妻が言う。

「あれ、とうとう来たかな」

年齢の割には若く見られるので、これで良いのである。 たぶん。

でも、「ええ?そんな!助けて~」

頭髪の悩みの始まりか。


在外生活は20年以上に及ぶ。その生活の中でパターンとして最初にすることは地元との同化。説明しなくても、下のチャートを見れば典型的なパターンはご理解頂けるだろう。もちろん、これは一例であって、絶対ではないし、典型を愚弄するものでもない。拙もこの構造にあやかっているし。

同化の努力 → 同化の限界 → 諦め → 日本人探し → 狭い邦人社会にどっぷり

拙の場合、英国で同化+現地化ということになったのは、義理の両親が居るからその付き合いの延長線上に親類縁者が居る。片側だけなのに結構な付き合い回数になる。妻は「子供たちのクリスマスプレゼントが少ない」とこぼしたこともあった。それは、英国の我々が日本式に対応していないのだし、日本の家族には英式を強制できない。と言って納得してもらった。そういえば、拙子供たちはそういう文句を言ったことがないなあ。えらいなあ、と今さら気づく。

日本の正月、節句、彼岸、花見、中元、祭、新嘗祭、神嘗祭、歳暮などなど全部仕事にも関わり、被ってきたことどもであるが、日本を離れてからはそういう歳時記にはほとんど触れずに過ごして来た。

「これではいかん」と思ったのは子供が生まれてからのこと。では、ロンドンに神社を誘致してみてはどうか、と基金集めを開始した途端にバブル崩壊で協賛各企業の担当者が転勤、あるいは失脚。事業が軌道に乗る前に話が潰れてしまったのは、不幸中の幸いだったが、文化的な損失感を抱いたまま現在に至る。神社ビジネス、絶対儲かりまっせ。

しかし、それ以来我が家の中では日本文化は徐々に薄れて来た。子供たちが日常経験する日本のことと言えば、息子の名前だけだろう。

拙は拙で、日本に帰ると食事中に人前で鼻をかんでしまったり、目上のヒトのまえでソファに脚を組んで座ったり、ボディーランゲージが傲慢な日本人に見えても、自信満々の英人には見られない。

数ヶ月だけ海外留学した日本人が「あーら、浦島っちゃった」などと言うのを耳にして思うのは、もう身について離れない外国暮らしのやり方が知らず知らず日本人の前では奇異に映っている時に感じる気恥ずかしさである。無意味に目立ちたくないもんね。でも、海外では何をやっても気にならないんだな、これが。


もうすぐ子供たちが来る。

彼らが求めるのは拙の食事。

学校の食事は悪くないそうだが、

それでも、拙の料理には敵うまい。

彼らの初日は牛皿にしよう。

後は、マーボーナス、特製カレー、ジャンバラヤ、刺身丼、チャーシュー丼、フライ寄せ、焼き魚とムニエル、和製ロースト、各種の和え物、サラダ、ナムル、煮物、を添えて日ごろの舌の欲求を満足させてあげよう。

子供たちが来るから、ということだけではなく食材への好奇心は海外生活の励みになる。

「これはなんだろう。でも、食べたら美味い」

「これこそ探していたもの」

そういうものに出会えることが嬉しい。

でも、有料記事にはなかなか採用されないんだよね。

今回紹介するのは、これ。



イタリア語だとエスパドン・フュメというのかな。

場末のスーパーで見つけたので、今後は卸や高級食材店でも探してみます。

この「カジキマグロの燻製」は、たとえメスの肉であっても燻製の王様です。

ウチの子供たちは味が判るので、是非食べさせたい代物。

日本の皆さんにはゴメンね。

英国では、高級卸の他、ハロッズとセルフリッジにたま~に置かれています。

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